児童福祉法違反 昭和29年9月11日
昭和27(あ)5497
児童福祉法違反
昭和29年9月11日
最高裁判所第二小法廷
決定
棄却
刑集 第8巻9号1479頁
大阪高等裁判所
昭和27年9月16日
一 刑訴第三二一条第一項第三号但書の規定の趣旨 二 児童福祉法第六〇条第一項の罪については児童の年齢の認識または不認識についての過失の判示を要するか
一 所論刑訴三二一条第一項第三号但書の「特に信用すべき情況」については事実審の裁量規定に関する事項であり(昭和二五年(あ)第一六五七号、同二八年七月一〇日第二小法廷判決、集七巻七号一四七四頁参照)、また所論供述者が一八歳未満の者であることの一事をもつては、未だ右刑訴同条の「特に信用すべき情況」でないといい得ないことは論ずるまでもないところである。 二 第一審判決は特に被告人が児童の年齢を知つていたことを判文に明示してはいないけれども、犯罪の客観的事実を表示することにより右認識の存在を判示することができるのであり、第一審判決の判示事実と挙示の証拠のを通読すれば、被告人に右認識のあつたことを認定した趣旨をうかがうことができる。殊に児童福祉法六〇条三項には「児童の年齢を知らないことを理由として、前二項の規定による処罰を免れることができない。但し、過失のないときは、この限りでない。」と規定しておつて、被告人が児童の年齢を知つて犯行に及んだ場合は勿論これを知らなかつたことにつき過失のなかつたことを被告人において立証しない限りは処罰を免れないところである。本件において被告人がこのような立証をした事迹はないのであるから右認証の有無及び認識しないことについての過失の有無につき明示しなかつた第一審判決を違法ということはできない。
刑訴法321条1項3号,刑訴法335条,児童福祉法60条1項,児童福祉法60条3項,児童福祉法34条1項6号