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神奈川県警が「被疑者ノート」の黒塗り指示か、弁護士が「接見交通権の侵害」で国賠提訴

神奈川県警の留置施設で勾留されていた男性が、弁護士とやりとりする「ノート」に書いた記述の一部を警察官に黒塗りさせられていた――。

県弁護士会の弁護士が、こうした警察官の行為が、接見交通権と秘密交通権の侵害にあたるとして、県を相手取り、国家賠償法にもとづく損害賠償をもとめる訴訟を横浜地裁に起こした。提訴は6月22日付。

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大手AVプロダクション社長逮捕、女優との「雇用関係」の有無がポイントに

アダルトビデオ(AV)の撮影現場に女性を派遣したとして、大手AVプロダクション「マークスジャパン」(東京・渋谷)の社長ら3人が6月11日、労働者派遣法違反の疑いで警視庁に逮捕された。

報道によると、逮捕された3人は2013年9月ごろ、当時、同プロダクション(=マネジメント会社)に所属していた20代の女性をAV撮影の現場に派遣して、公衆道徳上有害な「AV出演」業務に就かせた疑いが持たれている。

女性は2009年ごろ、「モデルの仕事だ」と説明を受けて、同社と契約を結んだが、その後、AVへの出演を迫られた。拒否すると「違約金がかかる」「親に請求書を送る」などと言われ、2014年の契約解除まで多くの作品に出演させられたという。

AV出演をめぐっては、NPO法人ヒューマンライツ・ナウが今年3月、出演強要の被害実態をまとめた報告書を発表して話題になった。若い女性たちが本人の意思に反して、AVへの出演を強要されるケースが相次いでいると指摘する内容だった。

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財団法人、「虚偽申告」理由に労災認定された職員を提訴するも敗訴 東京地裁

中小企業向けの特定保険業等をおこなう一般財団法人「あんしん財団」が、労災認定をめぐって国と元職員2人に対し、計約460万円を求めていた訴訟で、東京地裁(堀田次郎裁判長)は12月15日、財団側の請求を棄却する判決を言い渡した。

判決によると、同財団は経営改革として、2013年に複数の女性職員を事務職から営業職へ職種転換させ、2015年にはそのうち営業成績が下位だった職員を転勤させた。

今回訴えられた元職員2人はそれぞれ北海道と埼玉県で働いていたが、2015年3月に勤務地を入れ替える形の内示があったことで体調を崩し、同年6月に精神疾患で休職となった。2人は労災を申請し、ともに認められた。

財団側は今回の裁判で、労災の審査にあたり元職員2人が虚偽の事実を申告したことで、国が誤った判断をしたなどと主張。労災保険料等の損害を受けたとして、国と元職員それぞれに損害賠償を請求していた。

これに対し裁判所は、元職員2人の申告等は虚偽とは言えず、労基署等の判断にも誤りはないと認定し、財団側の請求を棄却した。

なお、2015年の職種転換をめぐっては、退職強要の目的でおこなわれたものだとして、複数の労働者が財団を訴えているが、一審で労働者側の請求が一部認容されたものの、二審で逆転敗訴となり、最高裁の上告に棄却で確定している。

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「経験と慣れでかえって審査が荒くなる」 元参与員が語る「難民認定」の深刻な問題

「難民をほとんど見つけることができません」。こう発言した柳瀬房子・難民審査参与員の2年分の審査件数が参院法務委員会で明らかになり、入管法改正の「立法事実」に疑問符が突きつけられている。

冒頭の柳瀬氏の発言は、入管法改正の根拠とされている。ところが、柳瀬氏は2年間で、約2000件の審査請求(不服申し立て)を処理し、1年半で500人の申請者に対面審査(インタビュー)していたことがわかった。

しかし、これほどの審査件数を「適正」に実施することはできるのか。それ以前に出入国在留管理庁(入管)がごく一部の参与員を偏重することに問題はないのか。今、難民審査参与員への関心が高まっている。

5月23日の法務委員会で参考人として質疑に応じて、「柳瀬氏とは異なる認識を持っている」と話した阿部浩己さんは、人権と難民の研究を専門とする国際法学者だ。

難民審査参与員としての約10年間の経験から、制度の問題に言及された阿部さんが「日本の難民認定はなぜ少ないのか ―審査参与員として感じた問題と圧力」というテーマで、5月28日に講演をおこなった。

1982年から2022年末までの40年間に、日本で難民認定された人は1117人。難民条約に批准して以降も、なぜ日本では難民の受け入れが進まないのか。法務委員会、そして講演会の阿部さんの話から、戦後から連なる日本の難民認定の課題をまとめた。

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テレビで「不倫」を推奨? 「恋愛ゲーム」のCMはどこまで許される?

スマートフォン向け恋愛ゲームのテレビCMが「不倫を推奨しているようで不快」と物議を醸している。

話題となっているのは『今夜アナタと眠りたい』という女性対象の恋愛ゲーム。主人公は31歳の既婚女性で、新婚で幸せの絶頂の中、夫の浮気を目撃。そんなとき、優しくしてくれる素敵なイケメンが現れて――というのがあらすじ。アップルのAppストアでは、12才以下の子供に不適切とみなされることがある「12+」指定となっている。

7月に放映スタートしたテレビCMは、イケメンキャラが「結婚したのか、俺以外のヤツと」「今夜は、帰したくない」などと女性キャラに語りかけるという内容で、かなりアダルトな雰囲気だ。ネット上でも話題になっているが、ツイッターでは「ゴールデンタイムに放送するなんて」「こういうCMはテレビではダメ」といった批判的なコメントが目に付く。

確かに、不倫がテーマの小説や映画は昔からあるし、それをゲームで楽しむというのもアリだろう。だが、少なからぬ視聴者が不倫を推奨していると受け止めるようなCMを、テレビで流すことに制限はないのだろうか。清水陽平弁護士に聞いた。

●「公序良俗に反する」といえるかどうか

「このような件についての法的な規制というと、公序良俗(民法90条)が問題となります」

清水弁護士はこのように指摘する。民法90条には、「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする」と定められている。その意味するところは、どんなものだろうか。

「『公の秩序』というのは、国家社会の一般的利益を指し、『善良の風俗』というのは社会の一般的な道徳観念を指すとされますが、両者の区別は必ずしも明確ではないため、両者を合わせて『社会的妥当性』を意味するものと認識されています」

では、今回の恋愛ゲームのCMは「公序良俗」に反するといえるのだろうか。

「日本においては一夫一婦制が採られていますので、一夫一婦に反する関係を維持する契約は無効とされます。つまり、不倫というのは公序良俗に反するものと考えられます。そうすると、このCMを見ると不倫関係に至るような内容と思われ、公序良俗に反すると言えそうな気もします。

しかし、公序良俗に反するとされるのは、"現実"に一夫一婦に反する関係を維持するようなものであり、不倫関係をテーマにすることが公序良俗に反するということにはなりません。

また、このCMが『不倫を推奨している』とまで言えるかというと、これまで数多くの不倫関係をテーマにした小説や映画などが多数存在していることや、それについてのCMも同じように放送されていたことに照らして、そのようには言えないのではないかと思います」

どうやら、この恋愛ゲームのCMを「公序良俗違反」とまでいうのは難しいようだ。では、CMを見て不快に思った人は、ただ我慢するしかないのだろうか。

「公序良俗に反していないからといって、放送についてどのように感じるのかということは、当然ながら別の問題です。問題があると感じた場合にとることができる手段としては、NHKと民放連で設置している放送倫理・番組向上機構(BPO)に意見を述べることが考えられます」

テレビの恋愛ドラマの多くは「不倫」がどこかでからんでくるものだ。それと比較すると、恋愛ゲームのCMだけ問題視するのは、不公平といえるのだろう。ただ、どうしても見ていて不快という人は、BPOに意見をぶつけてみるというのもアリかもしれない。

(弁護士ドットコムニュース)

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モザイク処理でトラブルか 同人販売サイト「DLsite」を作家が訴えた裁判のウラ側

同人作品のダウンロード販売大手「DLsite」で、ユーザー資格を不当に取り消されたとして、同人作家の男性が運営会社を相手取り、慰謝料など約150万円の支払いを求める裁判を東京地裁に起こした。

3月11日に第1回弁論が開かれて、運営会社「エイシス」(東京都千代田区)は請求の棄却を求めた。これから反論の準備を進めていくとしている。

弁護士ドットコムニュースが、訴状など裁判記録を閲覧したところ、男性がサイト上で販売しようとした成人向け作品のモザイク等が不十分だったことをめぐり、トラブルがあったとみられることがわかった(情報は閲覧した3月15日時点のもの)。(編集部・塚田賢慎)

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「おうち、うごく?」能登半島地震で乳幼児は夜泣き、 子ども抱えて高台へ…揺れた新潟・佐渡の被災ルポ

1月1日の能登半島地震で震度5強を観測した新潟県佐渡市は四方を海に囲まれ、直後に津波警報が出された。筆者は、義実家のある佐渡市で家族とともに年末年始を過ごし、大きな揺れを経験した。幸いなことに大きな被害こそなかったが、幼い子どもを連れていることで肝を冷やした。(弁護士ドットコムニュース編集部・塚田賢慎)

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糸魚川大規模火災、中華料理店「鍋の空焚き」が原因の可能性…損害賠償はどうなる?

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IRジャパン元副社長の逮捕容疑「取引推奨罪」とは?  金融法務に詳しい弁護士が解説

企業向けコンサルティング会社「アイ・アールジャパンホールディングス」(IRジャパン)が業績予想の下方修正を社内決定した直後に同社株の売却を知人に勧めたとして、同社元副社長の男性が5月、金融商品取引法違反(取引推奨)の疑いで逮捕された。

報道などによると、同社は2021年3月30日の幹部会議で下方修正を決定した。元副社長は出席していなかったが直後に情報を把握。公表前の4月上旬〜中旬に、知人女性2人にLINEで連絡するなどして、株の売却を勧めたという。

同社は4月16日午後、2021年3月期の業績予想を公表。翌営業日の終値は、前日比15%以上下落した。

逮捕容疑となった「取引推奨」とはどのようなものか。インサイダー取引とは違うのだろうか。澤井康生弁護士に聞いた。

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「全部自分でスキャンしろってこと?」 自炊代行「敗訴判決」に利用者から怒りの声

本や雑誌をスキャナーで読み取って、電子データ化する「自炊」――。その作業を請け負う「自炊代行業者」に著作権を侵害されたとして、作家や漫画家たちが業者を訴えた裁判の控訴審判決が10月22日、知的財産高等裁判所であった。知財高裁は業者の著作権侵害を認め、業者に損害賠償とスキャン業務の差し止めを命じる判決をくだした。

この訴訟の大きな争点の一つは、自炊代行が、著作権法で許容されている「私的複製」にあたるかどうかだった。この論点について、代行業者たちは、「依頼者の私的複製を補助しているだけ」と主張した。しかし、知財高裁は、「複製の主体」は業者だとして、私的複製にはあたらないとした一審判決を支持し、業者の控訴を棄却する判決をくだした。

一方、ネット利用者の立場から意見を発信している団体「一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)」は、この裁判について、「自炊代行業を認めるべきだ」という意見書を裁判所に提出していた。今回の判決についてどうみるだろうか。裁判を傍聴したMIAU事務局長の香月啓佑さんに話を聞いた。